トランスジェンダーの脳は男脳?女脳??エセ科学くたばれ
四本裕子の日経ウーマンの記事が流れてきた。私この人ちょっと好き。
脳梁の太さに男女差があると言う研究、1982年にたった14人の解剖データをもとに書かれたもので今信じている研究者は少ないよ、と言う話。
結構ちょくちょくこの人の記事をググって読んでいる気がする。本とか書いてるのかな。こういう記事これからも頻繁に出してほしいな。
エセ脳科学は本当に嫌い。
いくら否定しても結局、「男脳」「女脳」の話題が好きな人は好きだよね・・・
「話を聞かない男、地図が読めない女ー男脳・女脳が謎を解く」、「共感する女脳、システム化する男脳」、中野信子などなど。よく売れてて儲かってそう。近所の図書館にも置いてるし。
「ニューロセクシズム」っていうらしい。職場のダイバーシティ研修でこれが利用されていて、ため息ついた。
脳の性差に合わせてコミュニケーションを取ろう!必ずしも男性が男性脳じゃないし女性が女性脳ではないよ!偏見は捨てようね☆・・・みたいなことが教材に書いてあった。もーやだ、偏見に塗れたことを教えてきやがるんじゃねぇ(怒)。
鈴木貴之「脳科学ブームと擬似脳科学」を読んだ。この人は哲学の先生みたい。ネットでPDFが公開されている。大阪大学大学院の研究室のサイトに「脳の迷信脳のうそ」と言うセクションがあって情報提供してるって書いてあるけど、ちょっと見つからない。
実は昔、トランスジェンダーの脳はどうなってるんだろう?って調べてた人たちがいたみたい。
ちょうど手元にGID(性同一性障害)学会の学会誌Vol.1 (2008)があって、それ以前の学会(研究会)のプログラムが見れるんだけど、けっこう「MRIでトランスの人の脳梁調べました!」とかちらほらある。岐阜大学の人たちがやってたみたい。
最近はあんまり聞かないから、まぁ、やめたんだろな。だって、MRIで調べて男か女か診断されたら嫌じゃない?どのみちジェンダーアイデンティティとは関係ないし。
あ、そうだ、最近トランスヘイターの皆さんの間で「性自認はエセ科学!」みたいなこと言う人増えてる感じする。性差別的なエセ脳科学をのさばらせておくからこういうことになるんだろうね。困ったね。
(新しいDSM-5ではgender identityではなくexperienced/expressed gender になっているからもうどうでもいいかも〜)
ちなみに我が家にはトランスジェンダー二人いるけど、二人とも話は聞かないし地図も読まないよ。いつも地図を見てくれるおともだち、ありがとう!!